株式会社スカイディスク(前編)「ファクトリーファースト」で成長加速。工場向けAIが今、面白い!【AI company】vol.3

AI company

人類最古の天文盤と言われる「ネブラ・(スカイ)ディスク」は、紀元前に生きた人々が暦を知る上で欠かせない道具だったと考えられています。
このネブラ・ディスクのように、人々の暮らしを支える重要な存在になりたい──そんな思いを持つ人々によって株式会社スカイディスクは設立されました。

「IoT×AIで生活を豊かにする」ことこそが同社最大のミッション。IoTサービスで得た知識やノウハウをもとに精度の高いAIを作り、顧客の事業課題を解決することを目指しています。

現在は、工場向けIoTやAIの開発に注力し、課題抽出からソリューションの立案、データ解析・分析からAPI作成、業務改善に至るまで、ワンストップのサービスを提供しています。

 

官民共働型スタートアップ支援施設「growth next」内にあるスカイディスクの本社オフィス。閉校した小学校をそのまま活用しています。

growth next の入り口のお写真。福岡におけるスタートアップのプラットフォームとして注目を集めています。

 

今回は、同社CEOの橋本司(はしもと・おさむ)さんと、AIコンサルタントとして働く梶原康範(かじわら・やすのり)さんにお話を聞きました。

橋本さんは福岡の本社オフィスからビデオ会議システムを使って取材に応じてくださいました!

 

労働者の生産量の底上げによって、人々の価値観に変化をもたらす

 

- まずは創業のきっかけからお聞かせください。

 

橋本:きっかけになったことは2つあります。1つは、自分自身の大学院での研究成果を、ただの研究で終わらせることなく、実用技術として世の中に輩出したいと考えたことです。

私は大学院生時代、AIの研究に携わっておりまして、そのテーマは「分散処理」でした。研究の中で課題となっていたのは、いかにデータを効率よく集めるかということ。それを解決するためにセンサーデバイスを開発したのです。これらの研究成果を社会のために役立てたいと考え、起業を思い立ちました。

2つめは、信頼に足る仲間から後押しが得られたこと。創業メンバーであり、優秀なエンジニアでもある城戸と伊藤に「研究成果をもとに起業したいがどう思うか」と意見を求めてみたところ、彼らも賛同してくれましてね。2人の強力な仲間を得られたことで起業の決意が固まりました。

 

- 最初からAIを活用したビジネスを手がけていらしたんですか。

 

橋本:創業当初は介護系のシステムを開発していました。

具体的に言いますと、独居老人の見守りシステムを手掛けていたんです。

きっかけは、私の母が長崎県で一人暮らしをしていたこと。彼女を見守るうえで役立つツールを探していたんですが、試しに私が大学院で開発したセンサーを設置してみると、スマートフォンで動きが手に取るように分かりました。

「これは便利だ」ということで不動産会社に提案したところ、大きな関心を持ってもらえたんです。

その後、このシステムを農業向けや物流業界向けなどに転用していたのですが、ベンチャー企業であるがために、闇雲に拡散すると社内リソースが足りません。そこでフォーカスしたのが工場向けのシステム。「ファクトリーファースト」という方針を打ち出し、工場向けにAIやIoTを適用していったところ、高い評価を得ました。工場向けAIやIoTはエンジニアリングという点で、あるいはビジネスマッチの観点からも成長が目覚ましい分野ですので、今後も注力していきたいと思っています。

 

- 創業当初から現在までを振り返ると、苦労もあったのではないでしょうか。

 

橋本:AIは日進月歩ですから、常に最新の技術を追い求めていかなければならないという点では少なからず苦労はあります。我々が創業した2013年頃にはまだ「ディープラーニング」という言葉さえ浸透しておらず、私自身もその頃、旧来型の技術を用いて画像解析をしていたものです。

その後、ディープラーニングが浸透し始め、AIというキーワードが世の中に浸透していく中で、時代背景としては私たちに有利な方向で動いていると感じています。

 

- 今後はどんな展開を考えていらっしゃいますか。

 

橋本:当社のミッションは「IoT×AIで生活を豊かにする」ことです。そのミッションと工場をどうリンクさせていくか。日本という限られた空間で考えると、この先、人口が減っていくことは顕然たる事実で、この状態を放置すれば、日本の国力はどんどん低くなるでしょう。

それを回避するためには労働者一人あたりの生産量を高めるしかありません。

そのための技術、テクノロジーがAIやIoTであり、これらを用いることで生産量の底上げを図り、価値観の変化をもたらしたいんです。

自分たちの技術で人をハッピーにできる仕事なんてわくわくしませんか?

 

- たしかに! 具体的にはどういった変化が起こるのでしょうか。

 

橋本:例えば今、ICOで金銭価値の変化が起ころうとしています。当社ではICOの分野に参入する予定はありませんが、データをベースにすることで商品の変革が起こるという点では当社の取り組みと一致しています。

現在、当社が取り組んでいる例として、保険商品が挙げられます。これまで、保険商品を作る際にはリスクのみを分析していましたが、AIやIoTを用いることで、物の稼働状況も分析することができます。

リスク分析と物の実情を把握することによって、保険商品を作るための査定内容が変わり、それによって保険に対する価値観も変わって、新たな価値提供ができると考えているんです。もっとも、これはチャレンジングな取り組みで、実用までにはもう少し模索していく必要があります。

また、R&Dを行っていく中で、最も力を入れて取り組むべきはIoTだと私は考えています。ただ、IoTには大きな課題が1つあるんです。

 

- どのような課題でしょうか。

 

橋本:セキュリティの強化です。当社では現在、分散処理でセキュリティを担保する方法を研究しています。つまり、1台ごとの端末でセキュリティを担保するのではなく、複数台の小さな端末が協調動作をしてセキュリティを担保する仕組みです。小さなコンピュータであっても分散処理をすればAIを動かすことは可能ですから、研究開発が進めば、IoTにおける大きな課題解決につながるのではないでしょうか。

 

福岡本社からインタビューに答えてくれた橋本さん。ありがとうございました…!

 

顧客の課題を実際に解決できる、「実業としてのAI」の面白さ

 

- 今、取引先・顧客数は何社くらいありますか。

 

橋本:何を基準に「取引先」と定義するかによりますが、契約を交わしている取引先としては十数社あり、ほぼ全てが大手企業です。これから3年のうちに顧客数を100社にすることを目標にしています。

 

- 事業が急成長する中で、どんな人材を探していらっしゃいますか。

 

橋本:大きく分けて3タイプあります。まずはAIエンジニア。ただのエンジニアではなく、顧客ニーズを的確に捉え、それをプログラムやコードに落としこむためのエンジニアリングスキルを持った人材を渇望しています。

2つめはマネージメントができる人、いわゆるPM層と呼ばれる人材です。プロジェクトの管理や人の管理、もちろん工程管理を含めたプロジェクト全体を管理できる人ですね。コンサルティングファーム出身で、プロジェクトマネージメントを行っていたような人は適任だと思います。

3つめは、エンジニアの中でもビジネス寄りの考え方ができる人。我々の事業では、プロジェクトが始まる前段階において、コンサルティング的な要素が求められます。ですから、お客様と直接対話をして、提案や要件定義ができる人に来ていただけると嬉しいですね。

 

- ずばり、働く方々から見たスカイディスクさんのメリット、特長はどういったものがありますか。

 

橋本:ジョインしてくださる方へのPRポイントは3つあります。

1つめは、実業としてのAI業務を行っていること。当社では、顧客からデータをお預かりして、もしくは実際に現場に行ってデータを収集・解析し、実データにあわせたアルゴリズム開発やプログラミングを行っています。実データを解析・分析してフィードバックするので、顧客の課題を目の前で解決できる。単に机上の空論だけで推し進めるビジネススタイルとは違います。

2つめは、エンジニアとビジネスメンバーによる横の連携が図れ、良いチームができつつあることです。私自身、経営スキルはそれほど高くないのですが、運はかなり良いほうで、人材に恵まれていると実感しています。

例えば、今日インタビューに同席してくれている現場マネージャーの梶原は、当社に入ってくれたことが奇跡と思えるような逸材なんです。ベンチャーですから日々色々なことがダイナミックに変わっていきますが、そうした変化も社員は楽しんでくれているのではないかと思います。

3つめは福岡に本社を構えていること。定期的に本社に集まって会議をしているので、東京オフィスに所属している人は、福岡に来ることで気持ちをリフレッシュさせることができるのではないかと思います。福岡は食べ物も美味しいですしね(笑)。

 

福岡本社でのミーティングの様子。黒板のある風景が新鮮です…!(Wantedlyより)

 

- 入社後のイメージがなかなかわきにくいのですが、すぐに現場に入るのでしょうか。

 

橋本:現状では、新しい社員を採用した場合、基礎的な知識を一定期間学習していただいた後、実際に進行しているプロジェクトに加わっていただき、OJTのような形でスキルアップを目指していただきます。

私は人材教育についてひとつの持論がありまして、例えば何かを学んでいくにあたり、「与えられた教科書を一から十まで順番に読み解いていく方法」と、「目の前にある課題を解決するために、教科書の中の必要な所だけを先に学ぶ」という2つの方法があると思います。

どちらのほうが学習効率が良いかについては賛否両論あると思いますが、学習していて楽しいのは間違いなく後者なんです。ですから当社でもその方法で教育を行っています。

もちろん、未経験の方や新卒の方の教育としてはそれだけでは物足りないと考えていまして、外部機関の教育プログラムを受講したり、外部から講師を招いて勉強会を開催したり、あるいは社内勉強会を催すなどの取り組みも行っています。

 

- ありがとうございました。後編でも引き続き、現場のリアルなお話を伺っていきます!

 

株式会社スカイディスク:https://skydisc.jp/

 

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