AI people、インタビュー第4弾で取材に伺ったのは、家族限定SNS「ウェルノート」というiOSアプリ開発を手がける、エンジニアの多鹿豊(たじか・ゆたか)さん。多鹿さんはオンライン講座のUdemyで「【iOSで機械学習】KerasとCoreMLによる画像分類アプリ作成」というコースを開設されました。
同オンライン講座は、現在「160名以上(2017/11/28現在)」が受講中。iOSで機械学習? Udemyって実際どう? などなど、ざっくばらんに聞いてきました。
参考:コースプレビュー【iOSで機械学習】KerasとCoreMLによる画像分類アプリ作成
シニア世代が利用するアプリ。面白いデータをもっと活用したい!
- 多鹿さん、初めまして! 今日はよろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお伺いしてもいいですか。
多鹿 ウェルスタイル株式会社で、iOSの開発を行っています。「ウェルノート」というメインサービスの開発ですね。少人数でやっているので、サーバーサイドを見たりとか、いろいろ手広くやっている感じですね。
- そもそもiOSで、機械学習に興味を持たれたきっかけは。
多鹿 きっかけは、私が手がけている「ウェルノート」というアプリで取得したデータをいかして、ユーザーの役立つサービスに活用できないかということでした。このアプリはシニアの世代の方も使ってくださるというのが他にはない特徴なので、やっぱりデータの活用もしたいよねという意見が社内で出て。そこで、機械学習について勉強していこう、というのが初めですね。
- ウェルノートについてもう少し教えてください。家族限定SNS。お子さんの写真や家族の思い出を、動画や写真でシェアするというサービスですね。
多鹿 はい。
- ウェルノートでは機械学習は用いられてるんですか。
多鹿 かなり限定的にはなるんですけど、使っています。子育てに役立つニュースを配信するコンテンツがあり、そのニュースのカテゴリーを機械学習で振り分けていくということをやっているような感じですね。
- 多鹿さんはUdemyで教育コンテンツビデオを提供していらっしゃいますが、なぜ講座の立ち上げをしようと思ったのでしょうか。
多鹿 きっかけはUdemyさんからのスカウトです。私が主催していた勉強会の取り組みを見てお声掛けいただきました。
- 勉強会がきっかけだったんですね。
多鹿 はい。先ほどお話しした通り、もともとは会社で(機械学習を用いたデータ活用を)やっていこうみたいなところから始まったんですけれど、じゃあどうしたらいいかっていうのがやっぱり分からなくて。
そこで、オフィスを使わせてもらって勉強会みたいなことを、まあ、もくもく会ですね、自主勉強会を始めてみたんです。そこでいろんな方と交流したりして、自分も学ぶことをまず始めたんですね。それが半年くらい前のことです。
その時、自主勉強会の題材が欲しかったので、個人的に開発していたアプリに着目しました。iOSのアプリですね。そのiOSアプリの中で、画像の分類みたいなものを取り入れていきたいと思っていて、そこを題材にして勉強会を進めていたところ、お声がけいただきました。
多鹿さんのUdemyオンライン講座でできるようになること
- 講座の概要ページには、「Kerasを使用して既存のモデルを転移学習させ独自のモデルを作成することができるようになります」「Kerasで作成したモデルを使用したiOSアプリを開発することができるようになります」とあります。この講座を通じて、受講生はどんなことができるようになるのでしょうか。
多鹿 そうですね。iOSアプリの中だけで機械学習のプログラムを完結させる開発手法をお伝えしているという感じですかね。
通常はAPI連携などの通信を行った上で、サーバー側で機械学習のアルゴリズムを使って分類や予測といったことをさせるんです。つまり、サーバー側から返ってきた結果に基づいてアプリケーションを動かす、ということですね。それが現在では、iOS側の内部的なアップデートによってアプリ内で完結できる仕組みができてきているので、その仕組みを活用して機械学習をアプリ内で完結させるやり方を一通りお伝えしています。
- Udemyからスカウトが来た時は、迷いましたか。オンライン講座の制作にあたって苦労された点などがあれば、教えてください。
多鹿 スカウトが来た時、少しは迷いましたが、でもやりたいという気持ちのほうが強かったですね。制作自体は、先に章立てして、コードなどは先に作っておいた上で収録したという感じですかね。
苦労した点としては……動画を作ることそのものがやっぱり大変でしたね。
そもそもあまりしゃべり慣れていないので、しゃべりながら書くというスタイルが結構大変で。コードを横に置いて、見ながら打ってしゃべって……という感じで制作を進めていったんですが、話すのにつまったら焦りますし(笑)、ちょっと微妙な感じになったなぁ、と思っても後で編集するのも大変だったし。
アウトプットすることが自分の勉強につながる
- 実際に講座を発表されてからの感想があれば教えてください。周りからのフィードバックなどはありましたか。
多鹿 そうですね。基本的にはアウトプットすることが自分の勉強につながるという思いで始めたんですが、Udemyの機能を使って質問をくださる方が結構いらっしゃって。そこで自分も勉強し直したりとか、皆さんに見ていただいて、自分もより深く知ることができるというサイクルができてきているので、良かったなと感じています。
- 今後の予定はありますか。
多鹿 今、予定はないんですが、そうですね。やっぱり自分の強みやiOS関連のところで、初心者向けのコンテンツはもう一回トライしてもいいかなとは思いますね。しゃべりながら打つのも、ちょっと慣れてできるようになってきたスキルでもあるので(笑)。せっかくならもうちょっとやってもいいかな、と思っているぐらいですね。
- なるほど、ありがとうございます。後編では現在多鹿さんが取り組んでいるアプリ開発のお話や、勉強法などについて伺っていきます。
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