本当に超初心者でもAIエンジニアになれる? よくある質問に答えます!

転職・キャリア

Team AI Career (データ分析のお仕事紹介事業)では、AIエンジニアになりたい方向けのキャリアセミナーを開催し、お陰様で好評頂いています。その中で最も多い質問が”ズブの素人でもAIエンジニアになれるのか?”というもの。今回は代表・石井の視点から、その疑問に答えていきます。


※ こちらのYoutubeでもセミナーの内容を見ていただけます。

この記事のまとめ

  • 特に初級者と中級者のレベルアップの際に数学理解の壁があるが、そこは避けて通れないので、なるべくハンズオンで手を動かして数学を好きになった方が良い
  • キャリアチェンジでAI転職の場合は、自分の根性と素養の証明を職務経歴書になるべく情報量を増やして記載する。市場には実務経験がある人はほとんどいない。
  • AI受託開発会社の一部は採用のハードルが低め。現場に入ってからも技術革新の速さから、自習でキャッチアップし続ける事は必須の業界。

 

(※本記事は、石井のMidium記事「本当に超初心者でもAIエンジニアになれるのか」を編集・転載するものです。)

初心者がAIエンジニアになるには、モチベーション管理が肝

結論から言えば、アプリケーションエンジニアになるより道は厳しく、ブートキャンプやスクールに入っても離脱する人は多いです。
なので、2–3ヶ月軽く勉強すればドラえもんが自作できるかも!みたいな希望的観測は立てない方が良いでしょう。

しかし今後5–10年で、キャリア市場が “AIを使いこなして変革する側 vs AIにより業務の意味がなくなってしまう側”に別れるトレンドを考えると、 少なくともキャリアチェンジを思い立ち、一定期間集中してAIエンジニア目指して努力することは人生にとってとてもプラスになると思うのでオススメです。

アプリ開発より厳しい道

Team AIでは、勉強会コミュニティを通じて4000人の開発者の方々と日々接しています。

様々な方がAIエンジニアを目指しチャレンジし、ある方は成功し、ある方は失敗しているのを見てきています。 肌感覚的には、初級から中級に自力で進める方は、挑戦者全体の7%くらいだと思います。

離脱が多い要因としては、コーディングに加え大学2年くらいの数学を理解する必要があるので、線形代数や統計が苦手な方が意外と多いからだと思います。

以下、AI開発者(+独学中含む)100人いる場合の属性をざっくり述べます。

初級

全体の70% / オライリーの教科書を数冊やる / Courseraの機械学習を履修 / Kaggleを触ってみる / 勉強会やセミナーに顔を出す / 実務経験はないので独学

中級

全体の20% / ポテンシャルを認められ実務に採用される → 社内の先輩に聞きながら徐々に独り立ちできるようになる → 2–3年実務を経験し自律的能動的にスキルアップできるようになる

上級

全体の10% / 論文を読みこなすなど世界最新技術にキャッチアップできる / 登壇や社内の技術リーダーを任される様になる / 独自のBlackBox AI技術(特許取得など)を開発にもチャレンジする

 

数学アレルギーを持っている人へ

アプリエンジニアの方にヒアリングさせて頂くと、割と文系バックグラウンドの方が多い様で、数学にアレルギーや苦手意識を持っている方もいらっしゃいます。

数学に関しては、先端技術分野でBlockChain(暗号)や量子コンピュータ(物理)など、理数系の素養が求められるキーワードが増えてきている事から、キャリアを有利に進めるために中長期を見据えて身につけておく事をオススメしています。

機械学習に関しても、簡単なライブラリの実装程度なら数学を無視してもできないことはありません。しかし、実務レベルにするための各種チューニングや、各ビジネスケースの分析に適した数理モデルの取捨選択などを行う際に、数学をマスターしているかどうかで実力の伸びに差がついてきます。

モチベーションが持続できる勉強法を考えよう

中級になるまでに早い人で独学開始から10–12ヶ月と言われていますので、コツコツと毎日一歩ずつ前進する事を目標に、心が折れない様に、モチベーションを維持することが肝要だと思います。

その為には達成できる目標を毎日セットすることが大事なので、線形代数の教科書を一冊完璧に理解しようといった大きな目標(Slow&Beautiful)ではなく、Quick & Dirtyなアプローチが良いと思います。
まずは中身の理解はそこそこにscikit-learnやTensorFlowなどのライブラリを手当たり次第に実装していじくり、そうすると中身の数理モデルがどうなっているか気になるので、そこから逆引きで数学解説書の該当部分を理解すると効率が良いです。

また、数学の理解の為には、マセマ社の問題集などで演習を手計算して解くと理解が進むのが早いと思います。 ニューラルネットワークの仕組みの理解も、数式を眺めるより手計算してそのシンプルさに気づいた方が早いです。

Kaggleも非常に良いケーススタディが揃っていますし、よりハンズオンに、手を動かしながら、何かを構築して実装(具体論)と理論(抽象論)を往復して理解を進めると良いです。

転職活動の場面では、根性と素養の証明が必要

Team AI Careerでは実際に転職のご支援もさせて頂いているので、採用/不採用に関わる要素は何なのか、という統計データも手元に貯まっています。

独学の場合、何が採用可否を決めるのか

独学でAIエンジニアになる場合は、採用企業側から見てポテンシャル採用になります。 その場合、採用側の視点では、“採用を失敗させない為のエビデンス”が必要になります。

つまり、通常は自社に近い実務経験があれば、それがエビデンスとなり採用に至ります。 実務経験がない場合は、実力の証明となる補助情報がこれにあたります。

補助情報一覧

  • 学習した教科書一覧
  • 履修したビデオコース一覧
  • Kaggleプロジェクト一覧
  • GitHub Publicリポジトリ
  • Qiitaアウトプット一覧
  • SlideShareアウトプット一覧
  • 勉強会開催実績
  • 機械学習API等を使って構築したアプリ一覧
  • 通ったブートキャンプやスクール一覧
  • 特に理系の方は発表した論文や学会のURL (修士・博士は特に有利)
  • AI業界にかける意気込みと情熱 (7–10行くらい)

これらは実務経験ではありませんが、独学の方は職務経歴書に書くべき内容だと思います。

AIスクール卒業は堂々と書いてよし

また、中でもDIVE INTO CODE(12ヶ月コースで100万円)などのAIスクールは初心者の方にはオススメです。卒業すれば転職の際に有利になります。

実際AIスクールは離脱する人も多いので、卒業できているだけで多少の実力の証明になりますし、12ヶ月継続的にコツコツ頑張った事を評価する企業は多いです。

上記モチベーション管理の箇所でも書きましたが、スクールの仲間がいて、メンターに何でも相談できて、勉強してなかったら先生に怒られる環境は、お金を出してでも手に入れるべきだと思っています。

上級者のポジショントークに戸惑わない

Twitter界隈で機械学習上級者の方々が、“偽AI屋”をDISってかなり辛辣な発言をしているのを見受けますが、あれは本格的なAIでない物をAIと称して売っている業者さんや、あまり中身のないセミナーで儲けている業者さんに向けられたものなので、正直初心者の方はスルーして良いと思います。

辛辣な意見は的は得ているのですが、私の様なエンジニアさんを応援する立場で見ると、“きちんと理解していない人間はAI業界で発言すべきでない”という上級者のポジショントークで、せっかく頑張っている初心者の方が怖くなり、勉強が進まなくなるのではないかと心配してしまいます。

会社数の増加とともに増えてきたチャンス

AIの受託開発ブーム

昨今のAIブームで、2017年は一気にAIに参入する会社が増えました。その中で儲かっているビジネスモデルが受託型の物が多いので、シンプルに言えば2017年はAIの受託ブームであったと言えるでしょう。

良くも悪くも、会社数が増えたのはAIにキャリアチェンジしたい方にとって有利です。

こういった受託型の会社は、クライアントに対して自社のエンジニア単価=1人月XX万円といった形で課金することが多い為、自社の売上増の為にはエンジニアの採用が欠かせません。

ですので、ばらつきはあるのですが、採用のハードルをかなり下げて、初心者でも採用する所も出てきています。

自社サービス開発はハードルが比較的高め

AI自社サービスをやっている会社は、エンジニア採用自体が売上増に直結している訳ではない為、採用のハードルは比較的高めです。
採用ハードルの低い企業に何とか入った後も独学レベルと実務レベルにはかなり差がありますので、先輩にポイントを教えてもらいながら、平日夜や土日に自習でキャッチアップする努力は必要だと思います。

また、AI技術は進化がとても速いので、常に最新のツールや理論についていく事で生産性が上がりますので、やはり勉強好きな方でないと向いていないというのが一般的な意見です。

入社時も、実務に入ってからも、つねに背伸びし技術的成長を追い求める必要があります。

キャリアチェンジで気になる給与面

キャリアチェンジで気になるのが給与面です。
一般的に、Java/Rubyなどのアプリエンジニアで活躍し、年収700–800万円をもらっていた方も、AIにキャリアチェンジするとこの分野での実務経験がない為、ジュニアクラスの年収にダウングレードされ、500–650万円くらいになる事が多いです。

考え方としては、一旦給与を下げて、データ分析系でその後給与を上げ、元を取ることも若い方ならできるかもしれません。

奥さんや子供がいる方は給与ダウンがきついと思うので、その場合は、例えばJavaの現役の方であれば、データ分析にAI、アプリにJavaを使っているようなAI会社にJavaエンジニアとして転職すれば年収700–800万円はキープできます。

給与ダウンを避けながら社内の勉強会などに参加し徐々にPython/データ分析系にシフトしていけば、 収入リスクを軽減する事ができます。

こういった事は、30–40代で年収を下げる事ができないミドル層のキャリアチェンジの際にオススメしています。

 

Team AI Careerでは、データ分析職種の方を中心にお仕事紹介を行なっています。
機械学習や統計の現場で活躍されている方をはじめ、バックエンドエンジニアからのキャリアチェンジを考えている方まで、幅広く全力サポートいたしますので、 サイトからのご連絡や、 お気軽に代表 石井: dai@jenio.coまでメールください。