(大杉慎平氏:後編)「分かった気がする」で終わらせない。非エンジニアが学ぶ、機械学習プログラミング【AI people】vol.3

インタビュー

東大大学院でデータ分析を専攻後、マッキンゼーへ。戦略コンサルタントとして活躍しつつ、今年9月から一時休職して、東大の博士課程に戻るという道を選んだ大杉慎平(おおすぎ・しんぺい)さんへのインタビュー。「AI/IoTで産業課題を解決し、教育分野に還元する」というテーマで現在複数のプロジェクトを進めています。(前編はこちら

後編では、「非エンジニア」の大杉さんが、どのようにして機械学習を学んでいったかを詳しく伺っていきます。

 

「ノーエンジニア」な環境での勉強法

 

-前回は、現在の大杉さんの取り組みについて伺いました。

勉強法について伺う前に……、私の完全な思い込みかもしれないんですけれど、コンサルの方って、自分で手を動かして何かやることってあまりしないイメージがありました。失礼ながら問題解決の手法を頭の中でいろいろ構築していく点では群を抜いていると思うんですけど、実際にそれをプログラミングで解決していこうっていうところって、領域的に包括されている印象はあまりなかったです。

 

大杉 おっしゃるとおりですね。ただ、最近のコンサルは実装、実行まで担って、そこで発生した顧客の利益から、コンサル料を得るモデルに移りつつありますが。例えば、コンサルを雇って年間30億円追加利益を上げたら、その内3億円もらえます、といったビジネスですね。ただ、実行の手法が限られていると漠然と感じていました。

 

-機械学習や人工知能に関する知識は、ご自身で学ばれたんですか?

 

大杉 独学です。

 

-もともとエンジニア的なスキルは持ってらした?

 

大杉 多分、ほとんどないと思います。もともとちょっと変なんですけど、東大の理科Ⅱ類に生物系で入って、その後、工学部建築学科に行ってずっと建築のデザインとかやってて。でも、建築業界に進みたいという気持ちがなくなって、1年プータローをしつつバイトをして、そのとき受かっていた建築の大学院を辞退して、ここの修士を受けて。なので、その時点でプログラミングはもう、ほんのちょっとしかできないですね(笑)。

修士の間も結局教育系のNPOの立ち上げをやっていました。「Teach For Japan」というNPOです。アメリカで有名な「Teach For America」の日本版の立ち上げですね。就職はご存知の通り、全くノーエンジニアな所行っちゃって。だからプログラミングはずっと趣味としてとか、休暇ができたときの勉強としてやっていました。

 

「いやー、自分でもおかしいですよね、このキャリア」と笑う大杉さん。面白いです!

 

-独学で勉強を進める中で、Team AIの勉強会にも参加してくださったんですね。どこで知ったんですか?

 

大杉 最初はTECH PLAYというサイトのイベントカレンダーで勉強会の存在を知って。まだTeam AIが始まって数カ月とか、半年ぐらいのときに参加させていただいて。そこでも勉強させていただきました。

 

-独学でプログラミングを学ばれたとのことですが、具体的にどういうふうに進めたんですか?

 

大杉 Team AIの勉強会のような集まりにはひたすら顔を出しました。結構行きましたね、いろいろ。あと本も大量に買って。40冊くらいかな? 機械学習に関する本だと、多分そのうちの5、6冊ぐらいなんですけど。

コミュニティに顔を出して、作るものを掲げて、調べながら実際に作る。この連続でした。

多分、エンジニアの方だったら仕事に直結していて近かったりするので、続くと思うのですが、全く仕事で使わない方が独学で習得したいというときには、結構なモチベーションがいりますね。

 

Team AIの勉強会のような集まりにはひたすら顔を出した、という大杉さん。フットワークの軽さと行動量が半端ないです。

 

「分かった気がする」で終わらせないために

 

-モチベーションを持続させるために何かしたことはありますか?

 

大杉 本を読んで作ってみても、「分かった気がする」で終わっちゃうんです。だから無理やり自分を「やらざるを得ない」環境におきました。

僕の場合は、セブ島でプログラミングを学ぶカリキュラムに取りあえず自分をぶっこんで(笑)。1カ月間ぐらいそこでひたすらiOSのアプリを作ったりしましたね。

あとは今の大学院への入学を決めたということももちろんその一つです。取りあえずやらざるを得ない状況にする。なぜでしょうね。僕も分からないんですよね。好きなんじゃないかな、やっぱり(笑)。

 

-ちなみに、皆さんに、オススメの書籍を伺っているのですが、大杉さんのオススメ本、何かありますか?

 

大杉 自分の価値観を見直すきっかけになった入門本として、O’REILLY’の「ゼロから作るDeep Learning」でしょうか?

コンサルで、よく企業の営業力強化プロジェクトを担当してましたが、その中に、成約見込みの高い有望顧客を抽出する、というのがあります。通常、顧客データを統計解析したり、優秀な営業への膨大なヒアリングからこれを構築するのですが、週末にこの本を読みつつニューラルネットワークを3時間くらいで作って、有望顧客の予想をさせてみたんです。そしたらかなり高い精度だったことに驚いて。クライアントもコンサルも、本当にビジネスが変わるな、と……。これはちゃんと学び直さなければ、と思いましたね。その後間もなく、博士課程で学ばせてくれと、会社に稟議をかけました。

本自体は、ディープラーニングの仕組み、何ができるかを、とても手軽に習得できる入門本としておすすめです。

 

そのほか、勉強のために読んだ本やCourseraのコース、勉強会など沢山ありますが、一番身になったのはやはり、とにかく自分でテーマを掲げてプロトタイピングすることでした。
手書き原稿を画像認識させてパワーポイントを自動作成するとか、Kaggleみたいなコンテストとかでも良いです。やりたいことをなんとか実現するために、最初はQiitaやバグのQ&Aサイトを漁って、そのうち論文やドキュメントを読みこんだりするようになりました。

 

インタビュー後に送ってくださった、大杉さんの本棚の写真。コンサルの仕事をしながら週末にこれを習得するとは……。

 

ビジョンやコンセプトは「あえて決めない」

 

-これから何年か会社を離れて研究をされるにあたって、その後のビジョンはありますか?

 

大杉 実はあんまり考えてないんですよ、そのまま研究に行くのか、会社を起こして事業としてやっていくのか。
ただこの領域で戦いたい。この手法でやりたいという点については、すごく強い思いがありますね。

 

-なるほど。

 

大杉 職業柄、ビジョンやコンセプト、マイルストーンを本当は決めなきゃいけないと思うんですが。個人としても、プロジェクトとしてもそれはやるべきだと思うんですけど、あえて決めちゃうと「決まっちゃう」じゃないですか。

でも今は「面白がるとき」だと思ってるんです。いろいろ変われる。世界も変わりますし、自分も変わる。ぶっちゃけ「決めないようにしてる」っていうところもありますね。

例えば「日本の産業課題を誰もが解決できるような世の中する」とか、なんか、えらそうなことっていくらでも言えるんですけど。もっと違う何か生まれるかもしれないので、そういう期待を込めて決めてないっていう感じです。

 

-ありがとうございます。最後に……大杉さんのプロジェクト、個人的にもすごく面白いと思うんですが、メンバーを募ったりもされているんでしょうか?

 

大杉 ありがたいことに、手伝ってくださる方は徐々に増えてきています。これから具体的に体制とかを決めていく段階ですね。

 

-例えば学生インターンとか、企業さんとか、この記事を読んだ方が面白そうだなと思ったら、プロジェクトサイト内のCONTACTからご連絡してもらっても大丈夫ですか?

 

大杉 ぜひ。

 

-今後の展開を、Team AIとしても楽しみにしています! また勉強会にもぜひお越しくださいね。今日は、とても貴重なお話をありがとうございました。

 

大杉 ありがとうございました。

 

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